私の所持しているコンパクトデジカメ”RICOH R10″は発売からすでに15年以上が経過しています。そのせいか内蔵の時計用バックアップが逝ってしまい、バッテリパック交換毎に日時の再設定が必要な状態です。流石に使いにくいので分解して時計用バッテリの交換に挑戦してみました。
RICOH R10
私の所持している唯一のコンデジです。最近はスマートフォンのカメラ性能が良くて出番が減っていましたが、基板の拡大写真などはこちらの方が(私の撮り方が下手くそなこともあり)綺麗に撮れたりするのでまだまだ現役です。

今回はこのR10の時計用電池を交換します。
デジカメを分解する
早速、精密ドライバを使ってR10を分解していきます。あらかじめバッテリパックとSDカードを抜いておきます。ストラップがついている場合は外してください。この辺りはR10の分解修理を行った先達方のレポートを参考にさせて頂きました。
まず、分解するときに邪魔になる操作用のスティックを取り外します。下にマイナスドライバー等をいれてこじってやると外れました。抜くのはこれだけで大丈夫です。

次に、R10のグリップ部分を取り外します。グリップ側面のネジ2本(黒色)を外して、バッテリの蓋を開いた状態にしてからひっぱると抜けます。このときグリップ部とバッテリケースあたりに小さい部品が嵌っているので失くさないよう注意します。
次にグリップを外した部分に見えている上側2本のネジを外します(この段階で上側パネル(電源ボタン等がある)を外すことが出来ますが、フレキケーブルで本体と繋がっているので注意。なのでここではまだ外しません)。続いて反対の側面にあるネジ4本のうち液晶側にある2本を外します。
フレキケーブルを傷つけないように注意して電源ボタン等のある上側のパネルを外します。続いてグリップ下のネジ穴(写真左側)のすぐ下にある凹み部分をマイナスドライバー等で少し持ち上げてやると液晶側のカバーが外れます。
カメラ上部と繋がっているフレキケーブルを取り外します。コネクタの黒い部分を精密ドライバで上に開いてやるとロックが外れます。これでカメラ上部のパネルを分離出来ました。
ここまで分解すれば時計用バックアップバッテリを交換出来ます。

時計用バッテリの型番を確認する
RICOH R10の時計バックアップにどんなバッテリが使われているのか不明だったので現物を確認する必要がありました。カメラ上部のシャッターボタンがあったあたりの下に時計用バックアップバッテリーがあります。
型番の記載はありませんでしたが、サイズ(直径約6.8mm/厚み約1.8mm)と電圧(バッテリーパックを挿入すると3.3Vがかかる)からいってセイコーMS614かその互換品あたりではないかと思います。
なので、交換用バッテリとして以下のバッテリを秋月電子で注文しました。
- MSリチウム二次電池 MS621FE FL11E 120円/個
(https://akizukidenshi.com/catalog/g/g108345/)
この二次電池はサイクル寿命が100%放電で100回とのことです。デジカメをしばらく使わないで時計がとぶまで放電してもすぐには駄目にならない電池ということですね。
交換用バッテリは元々R10についていたオリジナルと比較して、サイズは直径は同じ、厚みは1mmほど増えます(スペース的には問題ありません)。スペックはサイクル寿命等は等しく、電池容量が若干アップ(3.4mAh -> 5.5mAh)になると思います。
私は同じようなバッテリを選択しましたが、思ったより場所に余裕がありました。探せば電気二重層コンデンサで使えるものがあるかもしれません。これなら完全放電しても傷まないので10年後も大丈夫?
- 電気二重層コンデンサ – 秋月電子
(https://akizukidenshi.com/catalog/c/cedlcap/)
時計用バッテリを新品と交換する
注文した電池が届いたので早速交換します。ハンダごてを使って元の電池を取り外し、アルコールで周囲を洗浄してから新しい電池を取り付けました。
もしかすると、衝撃が加わったときに電池が外れないようホットメルト等で基板に固定してやった方がいいかもしれません(組み上げてから思いついたので私はやってません)。
ズームイン/アウトスイッチの修理
時計とは関係ないですが、カメラのズームイン/アウトスイッチの調子が微妙なのでついでに分解してみることにしました。
摺動面がフレキ上に直接のっている構造です。これは耐久度的にどうなんでしょうか。ズームイン/アウトスイッチの部分は補強してあるっぽいですが、こすれてフレキが摩耗している箇所が見受けられます。
とりあえず、定番の接点復活剤をつけて表面を綿棒で磨いてみることにします。擦れてフレキを貫通しかかっている(裏側の金属?らしきものが見えている)箇所は駄目元で黒マジックを塗ってみました。黒マジックで保護層を作るつもりでちょんちょんやってみたのですが、コレは失敗でスイッチを操作すると引っかかった感じになってしまいました。綿棒で擦って平らにしてやると問題なく操作出来るようになりました。
動作確認
終わったら元通りに組み直して動作確認です。バッテリーを挿入して時刻設定をして、再度バッテリーを外して時間をあけてから電源ONして日時を確認します。
結果、無事に修理出来たようです。ズームイン/アウトスイッチの調子も良くなりました(こちらはいつまで保つか?という状態ですが)。

所管
修理が終わって、当たり前ながらカメラが使いやすくなりました。私のR10は電池ボックスあたりに衝撃が加わると電源が落ちることがあって、その度に時刻設定画面が出てくるので屋外で使いにくいものになっていましたが、これで解決しました。
ところで、ヤフオクを見ていると、今でもRICOH R10がたまに出品されては落札されるのを見かけます。所有しているR10が壊れて部品取りのドナーとして買われたのか、あるいはあえてR10で撮ってみたくて買われたのかは分かりませんが、いずれにしても時計用バックアップバッテリは限界を迎えているのではないでしょうか?
屋外でR10で撮っていて、何かの拍子にバッテリが外す(外れる)度に時計を再設定するのは手間です。思い切って時計用バックアップバッテリの交換に挑戦してみるのもありではないかと思います。
参考
この記事は以下の内容を参考にしました。
- 13年前のデジカメを修理してみた RICOH R10 – Shioika(しおいか) (id:Shoika)
https://shoika.hateblo.jp/entry/2021/10/05/211401 - RICOH(リコー)のデジカメ R10 液晶交換(分解)- info-search.info
https://info-search.info/?p=165 - Ricoh R8を修理する – 43exp.
http://exposedfilms.blog.fc2.com/blog-entry-276.html
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