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デジカメの時計用バックアップバッテリを交換する(RICOH R10)

RICOH R10(時計用バックアップバッテリの交換) 修理

私の所持しているコンパクトデジカメ”RICOH R10″は発売からすでに15年以上が経過しています。そのせいか内蔵の時計用バックアップが逝ってしまい、バッテリパック交換毎に日時の再設定が必要な状態です。流石に使いにくいので分解して時計用バッテリの交換に挑戦してみました。

RICOH R10

私の所持している唯一のコンデジです。最近はスマートフォンのカメラ性能が良くて出番が減っていましたが、基板の拡大写真などはこちらの方が(私の撮り方が下手くそなこともあり)綺麗に撮れたりするのでまだまだ現役です。

RICOH R10
RICOH R10(2008年発売)。なにげにCCD(光学手ブレ補正付き)だったりします。

今回はこのR10の時計用電池を交換します。

デジカメを分解する

早速、精密ドライバを使ってR10を分解していきます。あらかじめバッテリパックとSDカードを抜いておきます。ストラップがついている場合は外してください。この辺りはR10の分解修理を行った先達方のレポートを参考にさせて頂きました。

まず、分解するときに邪魔になる操作用のスティックを取り外します。下にマイナスドライバー等をいれてこじってやると外れました。抜くのはこれだけで大丈夫です。

RICOH R10の分解
分解前に液晶側の操作レバーを取り外す。

次に、R10のグリップ部分を取り外します。グリップ側面のネジ2本(黒色)を外して、バッテリの蓋を開いた状態にしてからひっぱると抜けます。このときグリップ部とバッテリケースあたりに小さい部品が嵌っているので失くさないよう注意します。

RICOH R10(グリップ側面のネジ)
この側面のネジ2本を外します。ストラップは事前に外しておいてください。
RICOH R10(グリップの取り外し)
ネジを外してからバッテリの蓋を開けた状態にして、グリップを外側に引っ張ると外れます。
RICOH R10(グリップの取り外し2)
液晶側から見た感じ

次にグリップを外した部分に見えている上側2本のネジを外します(この段階で上側パネル(電源ボタン等がある)を外すことが出来ますが、フレキケーブルで本体と繋がっているので注意。なのでここではまだ外しません)。続いて反対の側面にあるネジ4本のうち液晶側にある2本を外します。

RICOH R10(グリップ下のネジ)
グリップ下にネジがあります。この上側2本を外します。
RICOH R10(側面のネジ)
液晶パネル側のネジ2本を外します。

フレキケーブルを傷つけないように注意して電源ボタン等のある上側のパネルを外します。続いてグリップ下のネジ穴(写真左側)のすぐ下にある凹み部分をマイナスドライバー等で少し持ち上げてやると液晶側のカバーが外れます。

RICOH R10(上部パネルの取り外し)
電源ボタン等のあるパネルを外したところ。今回の目的である時計用バックアップバッテリが見えます。
RICOH R10(液晶側パネルの取り外し)
ネジ穴近くにある凹みで本体フレームとパネルが引っかかっているので、マイナスドライバーで軽く浮かせてやると外しやすいです。
(構造がよく分かっていなかったので関係ない部分のネジが外れていますが気にしないでください)
RICOH R10(液晶側パネルの取り外し完了)
液晶側のパネルが外れました。

カメラ上部と繋がっているフレキケーブルを取り外します。コネクタの黒い部分を精密ドライバで上に開いてやるとロックが外れます。これでカメラ上部のパネルを分離出来ました。

RICOH R10(液晶側パネル下の基板)
右側にあるコネクタからフレキケーブルを取り外します。
RICOH R10(フレキコネクタ拡大)
黒い部分を上に跳ね上げるとケーブルのロックが外れます。

ここまで分解すれば時計用バックアップバッテリを交換出来ます。

RICOH R10の分解
RICOH R10を分解したパーツ類。今回必要ない部分まで分解してしまっています。

時計用バッテリの型番を確認する

RICOH R10の時計バックアップにどんなバッテリが使われているのか不明だったので現物を確認する必要がありました。カメラ上部のシャッターボタンがあったあたりの下に時計用バックアップバッテリーがあります。

RICOH R10(時計用バックアップバッテリ)
こいつが時計用のバッテリです。
RICOH R10(時計用バックアップバッテリ近傍の拡大。腐食している)
拡大してみると液だれしたっぽい後があります。どうも腐食してますね。。。

型番の記載はありませんでしたが、サイズ(直径約6.8mm/厚み約1.8mm)と電圧(バッテリーパックを挿入すると3.3Vがかかる)からいってセイコーMS614かその互換品あたりではないかと思います。

なので、交換用バッテリとして以下のバッテリを秋月電子で注文しました。

この二次電池はサイクル寿命が100%放電で100回とのことです。デジカメをしばらく使わないで時計がとぶまで放電してもすぐには駄目にならない電池ということですね。

交換用バッテリは元々R10についていたオリジナルと比較して、サイズは直径は同じ、厚みは1mmほど増えます(スペース的には問題ありません)。スペックはサイクル寿命等は等しく、電池容量が若干アップ(3.4mAh -> 5.5mAh)になると思います。

私は同じようなバッテリを選択しましたが、思ったより場所に余裕がありました。探せば電気二重層コンデンサで使えるものがあるかもしれません。これなら完全放電しても傷まないので10年後も大丈夫?

時計用バッテリを新品と交換する

注文した電池が届いたので早速交換します。ハンダごてを使って元の電池を取り外し、アルコールで周囲を洗浄してから新しい電池を取り付けました。

もしかすると、衝撃が加わったときに電池が外れないようホットメルト等で基板に固定してやった方がいいかもしれません(組み上げてから思いついたので私はやってません)。

セイコーMS621FE
セイコーMS621FE。交換用に注文した新品です。
RICOH R10の時計用バッテリとセイコーMS621FE
オリジナルのバッテリと比較です。直径は同じですが、MS621の方が厚みは1mmほどあります。
RICOH R10(時計用バックアップバッテリの交換)
MS621FEと交換しました。見た目はほとんど変わりません。念の為ホットボンドで固定してやったほうが衝撃を受けたときの保険になるかも。

ズームイン/アウトスイッチの修理

時計とは関係ないですが、カメラのズームイン/アウトスイッチの調子が微妙なのでついでに分解してみることにしました。

RICOH R10(上部パネル裏)
見えているネジ2本を外すと簡単に分解出来ます。
RICOH R10(上部パネルの分解。摺動面がフレキの上にあります)
なんと摺動面がフレキの上にありました。

摺動面がフレキ上に直接のっている構造です。これは耐久度的にどうなんでしょうか。ズームイン/アウトスイッチの部分は補強してあるっぽいですが、こすれてフレキが摩耗している箇所が見受けられます。

RICOH R10(モード選択スイッチの摺動面)
撮影モード選択スイッチの摺動面です。擦れた後はありますが問題はなさそう。
RICOH R10(ズームイン/アウトスイッチの摺動面)
ズームイン/アウトスイッチの摺動面です。こちらは擦れて摩耗しているような・・・。
RICOH R10(ズームイン/アウトスイッチの摺動面の拡大写真)
ズームイン/アウトスイッチ摺動面を拡大してみると、どうも真ん中あたりがこすれて金属っぽい光沢(反対側が透けてきている?)が見えています。

とりあえず、定番の接点復活剤をつけて表面を綿棒で磨いてみることにします。擦れてフレキを貫通しかかっている(裏側の金属?らしきものが見えている)箇所は駄目元で黒マジックを塗ってみました。黒マジックで保護層を作るつもりでちょんちょんやってみたのですが、コレは失敗でスイッチを操作すると引っかかった感じになってしまいました。綿棒で擦って平らにしてやると問題なく操作出来るようになりました。

RICOH R10(ズームイン/アウトスイッチの摺動面を磨いてみた)
摺動面を磨いてみました。
RICOH R10(摺動面の摩耗箇所を黒マジックで補修)
摩耗箇所を黒マジックで塗ってみたのですが、盛り過ぎてデコボコになってしまいスイッチ操作で引っかかりが出てしまいました。
RICOH R10(摺動面の補修跡)
綿棒でごしごしやって平らにしたところ。レバー操作は滑らかになりましたが、今度はやり過ぎて一部ハゲてしまった。。。まぁ、動作には支障ないようです。

動作確認

終わったら元通りに組み直して動作確認です。バッテリーを挿入して時刻設定をして、再度バッテリーを外して時間をあけてから電源ONして日時を確認します。

結果、無事に修理出来たようです。ズームイン/アウトスイッチの調子も良くなりました(こちらはいつまで保つか?という状態ですが)。

RICOH R10
無事に修理完了しました。

所管

修理が終わって、当たり前ながらカメラが使いやすくなりました。私のR10は電池ボックスあたりに衝撃が加わると電源が落ちることがあって、その度に時刻設定画面が出てくるので屋外で使いにくいものになっていましたが、これで解決しました。

ところで、ヤフオクを見ていると、今でもRICOH R10がたまに出品されては落札されるのを見かけます。所有しているR10が壊れて部品取りのドナーとして買われたのか、あるいはあえてR10で撮ってみたくて買われたのかは分かりませんが、いずれにしても時計用バックアップバッテリは限界を迎えているのではないでしょうか?

屋外でR10で撮っていて、何かの拍子にバッテリが外す(外れる)度に時計を再設定するのは手間です。思い切って時計用バックアップバッテリの交換に挑戦してみるのもありではないかと思います。

参考

この記事は以下の内容を参考にしました。

修理
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