自転車のハブベアリングをグリスアップしてから早2年が経ちました。あれから特に不具合なく走ってくれています。今回は2年毎のハブ定期メンテを兼ねて中のベアリング(とグリス)がどうなったのか見てみたいと思います。また、ついでにベアリングも交換してみることにしました。
使ったもの
今回のハブメンテナンスで使ったものです。
- ウレアグリス
- 板スパナ
- スプロケット外し用工具
- ベアリング(1/4 inch) - リアハブ用
- ベアリング(3/16 inch) - フロントハブ用
グリスは前回使用のリチウムグリスからウレアグリスに変更しました。リチウムグリスでも走行中の問題はなかったのですが、今回ハブを分解してみるとかなりグリスが流れてしまっているように見受けられたので耐水性の高いウレアグリスを使ってみることにしました。モノはホームセンターの蛇腹入りのやつを購入しました。
玉押しの調整に使うダイソー多目的スパナ(小)は力を加えたときに曲がってしまったのでモノタロウで安い板スパナを購入しました。ダイソースパナよりは使いやすいですが、やっぱりヤワイです。がちがちに固着した玉押しには太刀打ちできなさそうです。
ベアリングはモノタロウで購入しました。100個以上入っているやつを買ったので、多分、一生分あるんじゃないでしょうか。前回分解時に散らしてしまって嫌な汗をかいたので2,3個紛失しても大丈夫なように買いましたが、こういう時に限って紛失はしないものです。精度の良し悪しは表記が無くて分かりませんが、現状問題なく使えています。気になる方はシマノ純正のベアリングを購入されるとよいかと思います(Amazonで探してみると以下のようなのがありました)。
- SHIMANO(シマノ) 鋼球(3/16″)22個 - 259円
- シマノ 鋼球(1/4″)18個 - 259円
- 中谷金属工業 ボール
ハブの分解清掃
リアハブ
まずリアハブから分解することにしました。まずスプロケットを固定しているロックリングを外します。ずいぶん清掃していなかったので真っ黒です。汚れを落とすため取り外したスプロケットは灯油に漬け込んでおきます。
次に玉押しを板スパナを使って固定してナットを緩めますが、スプロケットを外してみてみると、なんと指で回せるくらいに緩んでいました。前回の締め付け不足かもしれません。
ベアリングがばらけないようにトレーの上で軸を引き抜き、残ったベアリングを取り除きます。ベアリングにグリスは残っていました。が、スプロケットと反対側のベアリングは外から汚れを取り込んだのか(あまり考えたくないですが)玉押しorベアリングが削れたのかグリスが灰色になっています。うーむ、やっぱり玉押しも交換したいですががっちがちに固着してしまって外れません。前回にダイソースパナを曲げたのもコイツです。新調した板スパナまで曲がると悲しすぎるので、ひとまずそのまま組んで様子見することにしました。次は2年待たずに開けようと心のメモに書き込みます。
玉押しと受け側の汚れをふき取って傷を確認します。うーむ、前回開けたときと比較すると傷の部分に錆が浮いてきているような気がします。これが原因で何か削れたのかなぁ。サンドペーパーか何かで錆を落とした方がいいのでしょうか。こっちはどうやっても取り外せないのでやるとするとハブ丸ごと交換になります。ホイール組みもいずれ挑戦したいけれど、今やると普段の足が無くなるのでこのまま組むことにしました。
フロントハブ
続いてフロントハブを分解します。
こちらもリアハブと同様に玉押しを固定してナットを緩めると軸が抜けます(こっちはしっかりと締まっていました)。中を覗いてみるとグリスはうっすらと残っていました。ただ、片側はヘドロのような色合いになっています。どうも泥か何かが入ってしまったようです。
汚れを落として確認してみると、受側は問題なさそうです。玉押しは前回時点で傷が入っているので諦めます。リアハブ同様に固着した玉押しとナットは次回課題ということに。
ハブ組み立てとベアリング交換
外したパーツを灯油漬けにして汚れを落としたら元通りに組み立てです。
今回は玉押しを再利用しますが、ベアリングは新品と交換です。ベアリングはフロントが3/16 inchを片側11個、リアは1/4 inchを片側9個です。グリスをたっぷりと盛って新品ベアリングを入れていきます。元通り組み上がったらたま押しを調整してゴリゴリせず軸がガタつかないよう調整して完了です。
たま押しの調整はフロント比較的簡単に終わりましたが、リアハブで苦戦しました。たま押しの位置がスパナで上手く保持できない位置(内側)に寄ってしまうのが原因です。かといって反対側はナットが固く締まって外れません。なんとか調整しましたが、次回はなんとかして緩めてたま押しごと交換したいところです。リアハブのナットが緩んでいたのはこれが原因かもしれませんね。。。
あとは元通りにタイヤをフレームに戻して作業完了です。試しに手でタイヤを回してみると滑らかに回転していい感じです。
取り外したベアリング表面の傷
取り合えずベアリングを新品に変えてみたわけですが、そもそも古いベアリングはどれくらい痛んでいたのでしょうか。手元にあるUSBマイクロスコープでベアリングの表面を拡大してみました。
拡大してみるとベアリング表面が傷だらけになっていて、ところによっては錆びているのが分かります。目を凝らしてみて傷ついているようだし新品にしとこうか、くらいの気持ちで交換しましたが、コレを見るとやっぱり新品にして良かったと思います。
ベアリングの重さ
元々のベアリングと今回交換したベアリングの重さを測ってみました。1/100の桁はあまり正確ではないのでご参考までに。
古いベアリング
今回交換した新しいベアリング
所感
特に問題なく乗れていても、久しぶりにベアリングのメンテナンスを終えてみるとタイヤの回転が軽くなっているのが実感できます。グリスの流れ具合を見ていると、乗り方にもよるとは思いますが2年間隔くらいがちょうどメンテナンス時期なのだと思います。購入してから何年もそのままでどうしようかなぁと思っている方は是非一度挑戦してみてください。
今回グリスアップだけでなくベアリングの交換もやってみました。古いベアリングに欠損等は見受けられませんでしたが、2.3個うっすらと変色しているものがあったので念のため、といったところです。本当は明らかに傷がついているたま押しを交換したいのですが、ガチガチに締まって外れないので次回に持ち越しとなりました。次はなんとかして玉押しを外して交換したいと思います。グリスの様子を見たいので1年後くらいかな。
あの、ミルクカレー色のグリスは、水没リールのグリスの色に似てます。
恐らく、水が浸入して乳白色になり、更に金属の錆びと混ざり??多分右のフロントでは無いですか?チャリンコ停めてる時ってスタンドが左で右が上に向く感じですからね。
あ、仰るとおりかもしれません〉右側
てっきり雨天走行中に中に何かが入ったのかと思っていましたが、駐輪時に雨が染み込んだのかもしれませんね。やっぱりカバーかけた方がいいかな。。。
ウレアグリースを充填したベアリングは、その後どうでしたか?
こんにちは。
ベアリング交換してから半年ちょいたって、今のところ問題なく走れています。走った感じはリチウムグリスと差は感じません。グリスがどれくらい流れたかは、あれからハブは分解していないのでちょっと分からないです(年末になったら分解して見ようかなと考えています)。