先日に購入したスイッチ付USBハブですが、手持ちのアダプターが繋がらなかったり、分解した際にいくつか気になる箇所があったのでちょこっと改造しました。
手直し
やったことは以下の通りです。
- DCジャックの変更
- ホスト側VBUSにダイオード追加
- 電源LEDの追加
- その他気になる箇所を手直し
- スイッチ接点の改善(スイッチ抵抗大の対策)
- VBUS配線の改善
1.DCジャックの変更
手持ちの5Vアダプタではジャックサイズが合わなかったので、適当なサイズのジャックに付け替えました。見た目は不細工になりましたが気にしない方向。
2.ホスト側VBUSにダイオード追加
元はDCジャックからの5VとVBUSが直結されていました。普段は問題ないかもしれませんが、万が一間違って12Vとかのアダプタを差し込んだ場合やPC側電源を落としたときにVBUSを経由してPC側に5Vかかった場合など、PC側が破損しそうなパターンが思い浮かびます。その対策としてVBUSとUSB-HUB基板の間にダイオードを追加しました。
ただ、DCジャックから5V電源を供給しない場合にはダイオードのせいで若干電圧が低下するので、USB機器によっては正常動作しないかもしれません。
3.電源LEDの追加
折角パターンがあるので、電源LEDを追加しました。あまりスペースが無いので、小型の砲丸型LEDを使いました。
4.その他気になる箇所を手直し
リード部品の足がそのまま残っている箇所と、USBソケットのツメ部分(シールド部分)をハンダ付けしてGNDに繋ぎました。
5.スイッチ接点の改善(スイッチ抵抗大の対策)
(2017/07/24追記)
このスイッチ付きUSB-HUB最大の問題点であるスイッチです。ONにしても接触不良が原因なのか抵抗値が大きくVBUS電圧がドロップして動作不良を起こします。
まともなスイッチを付け替えるのが一番なのでしょうが、それをするならUSB-HUBを買い替えたほうが安上がりになるかもしれません。そこで今回は接点復活材をスイッチの隙間から吹き込んでみました。側面の穴から吹き込んで何回かON/OFFを繰り返します。そのあとに抵抗値を計測して改善していることを確認しました。
6.VBUS配線の改善
(2017/07/24追記)
基板上のVBUSパターンが細く、上記のスイッチ程では無いにしても200mvくらいドロップが発生していました。そこで基板上の空いている箇所にスズメッキ線でVBUSパターンを補強することにしました。丁度未実装の部品(コンデンサ)があったのでそこを利用しています。
このVBUSパターンはUSB-HUB搭載ICの電源でもあるので、大電流が流れるデバイス(スマートフォン等)を接続するとUSB-HUBごと不安定になることがありました。補強することでその辺りの改善も期待できます。
その後
現在は問題なく動いてくれています。複雑な製品は難しいですが、これくらい単純な構造であれば安価な製品を購入して手を加えて使うのもいいですね(もちろん、ちゃんとした製品を購入するほうが早いですけど)。
はじめまして。”ハブ 分解”でこちらのページにたどり着きました。とても参考になります。
ところで転送速度はどうなってますか?当方、同じタイプの4portを買ったのですが、winでもmacでも
12Mbpsとなります。480Mbpsとなりません。参考までにお知らせ願えませんか?
よろしくお願いします。
こんにちは。
手持ちにある無改造のUSB-HUBと本記事の改造済みとでベンチマークをとってみました。USBメモリは"PicoDrive DUAL X"、ベンチマークソフトは"CrystalDiskMark 5.2.2"です。
無改造USB-HUBの場合
仰るように非常に低速でUSB1.1かと疑いたくなりますね。動作も不安定で、ベンチマーク後に確認するとUSBメモリのファイルシステムが壊れていました。。。
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CrystalDiskMark 5.2.2 x64 (C) 2007-2017 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
Sequential Read (Q= 32,T= 1) : 1.153 MB/s
Sequential Write (Q= 32,T= 1) : 0.917 MB/s
Random Read 4KiB (Q= 32,T= 1) : 1.034 MB/s [ 252.4 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 32,T= 1) : 0.479 MB/s [ 116.9 IOPS]
Sequential Read (T= 1) : 1.048 MB/s
Sequential Write (T= 1) : 0.838 MB/s
Random Read 4KiB (Q= 1,T= 1) : 1.017 MB/s [ 248.3 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 1,T= 1) : 0.477 MB/s [ 116.5 IOPS]
Test : 100 MiB [G: 1.6% (31.0/1907.0 MiB)] (x5) [Interval=5 sec]
Date : 2017/08/01 11:11:24
OS : Windows 10 Professional [10.0 Build 15063] (x64)
改造済みUSB-HUBの場合
同様に本記事の改造済みUSB-HUBでベンチマークを取ってみると、こちらではほぼスペック通りの速度が出ていました。動作も問題ありません。やはり貧弱な電源が原因なのではないでしょうか。
この後で試しにUSB-HDDを繋いでベンチマークを取ってみると約40MByte/sec(320Mbps)出ました。
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CrystalDiskMark 5.2.2 x64 (C) 2007-2017 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
Sequential Read (Q= 32,T= 1) : 31.720 MB/s
Sequential Write (Q= 32,T= 1) : 8.598 MB/s
Random Read 4KiB (Q= 32,T= 1) : 7.760 MB/s [ 1894.5 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 32,T= 1) : 1.064 MB/s [ 259.8 IOPS]
Sequential Read (T= 1) : 31.870 MB/s
Sequential Write (T= 1) : 7.968 MB/s
Random Read 4KiB (Q= 1,T= 1) : 7.331 MB/s [ 1789.8 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 1,T= 1) : 0.832 MB/s [ 203.1 IOPS]
Test : 100 MiB [G: 0.0% (0.0/14.9 GiB)] (x5) [Interval=5 sec]
Date : 2017/08/01 11:20:31
OS : Windows 10 Professional [10.0 Build 15063] (x64)
ご参考になればと思います。
わざわざベンチマークまでとっていただき、ありがとうございます。
”ファイルシステムが壊れていました。” 無改造では怖くて使えませんね。
こちらの記事を参考に改造してみたいと思います。
ありがとうございました。