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[レビュー] 安価な同期整流型DC/DCコンバータ

高効率な同期整流型DC/DCコンバータが100円以下という格安な値段で販売されていたので購入してみました。仕様は出力5V/Max3A(USB端子付き)で入力はDC6-24Vです。本当に同期整流なのか、変換効率はどんなものなのか、適当な負荷を繋いで計測してみることにしました。

 

購入したDC/DCモジュール

いつものごとくAliexpressで購入しました。おひとつ89円+送料という本当に同期整流型ならめちゃ安な代物です。小さな基板の上にみっちりと部品が載っていてとてもコンパクトです。

USB出力付きDC/DCモジュール
かなりコンパクトなDC/DCモジュールです。サイズは約25mm x 15mm。

R0013074.JPG
3個注文して293円(送料込み)でした。

気になるレギュレータICの素性

モジュールに載っているレギュレータのシルクを見ると"AGCH"とありました。これを参考に仕様を探してみたのですが残念ながら見つかりませんでした。あまり有名なメーカーではないのかも。

WIN_20180202_10_35_51_Pro.jpg
ICはコンパクトなフラットパッケージです。シルクは型番なのかメーカなのかよくわかりませんでした。

仕様書が見つかれば早かったのですが、次に回路を調べてみました。パッと見てコイルの両脇にダイオードが載っているのが分かります。いかにも非同期なのではと疑いたくなる部品配置ですが、製品説明によるとこれは入力保護と過電圧保護(出力側)のダイオードとのことです。テスターであたってみると、確かに左側ダイオードは入力の+側と繋がっていますし、右側はVBUS端子/GNDと繋がっています。非同期ならコイルとICの間にダイオードがいるはずです。

 

消費電力から効率を計算する

次に実際に動かして効率をみてみることにしました。入力と出力に電圧/電流計を挟んで消費電力を計測します。テスト環境は以下の通りです。

  • 入力:DC12V
  • 出力:適当な負荷(Androidタブレット等)を接続
DC/DCモジュールの効率測定
こんな感じでDC/DCモジュールの入力側に電圧/電流計、出力側にUSB電圧/電流計を挟んで測定します。
R0013084.JPG
1Aくらい流れるように負荷を追加しました(電圧/電流の表示が逆でちょっと見にくいですね)。

測定結果は以下のようになりました。

  • 入力:11.4V x 0.50A = 5.7W
  • 出力:4.99V x 0.96A = 4.79W

効率は4.79/5.7*100=84%となります。

参考までに安いDC/DCモジュールでよく見かけるLM2596(非同期)のデータシートを見ると、同一条件での最大効率が約80%のようです。同メーカのLM43603(同期)の場合は最大効率が90-93%くらいになります。

それと比較すると、細い配線のワニ口クリップでつまんだり入力保護ダイオードがある分でいくらか損失が発生していることを考えると変換効率84%というのはそこそこ良い値といえ、このモジュールは同期型DC/DCと考えてよいのではと判断します(絶対に逆接しないという自信があればダイオードを取っ払えば効率アップする、ハズ)。

なお、発熱は測定で5分程通電した状態で指で触るとほのかに温かく感じるくらいでした。2Aくらいは流しても大丈夫そうです。

 

所感

個人的には安くて良いモジュールだと思います。以前はバイクにダイソーで買ってきたシガレット電源を使っていましたが、スマートフォンやドライブレコーダといった電装品を装着するのならこのモジュールを使えば大分と効率が良くなりそうです。難点はそのままだと基板剥き出しなのでケースに収納したいのですが、モジュールが非常に小さいので固定しずらいことでしょうか。

あと、欲を言えばレギュレータICの仕様が分かれば電圧調整して別な用途にも使えるのですが。。。うーん、もうちょっと該当するICが無いか探してみようかな。

 

参考

この記事は以下の内容を参考にさせていただきました。

1 thought on “[レビュー] 安価な同期整流型DC/DCコンバータ

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