長らく使用していた愛用のマウスがチャタリングを起こすようになりました。アイコンを摘んだりテキストを範囲選択するつもりがダブルクリックになってしまいます。普段より力をこめてボタンをホールドすることでしばらく耐えていましたが状態は悪化するばかりです。
そこで、マウスを分解して問題のスイッチを応急修理することにしました。
問題のマウス
私のPCにはマウスが2台繋がっています。ひとつは無線トラックボールのM570、もうひとつは有線のG300です。
普段はトラックボールマウスを使っていて、カーソルの動きに精度と速度が欲しい(CADとかゲームとか)ときは有線マウスといった使い分けをしています。
その2台ともが時期を前後してチャタリングを起こすようになってしまいました。実は有線マウスのG300はコレ以前に一度同じようにチャタリングが発生しまして、そのときはスイッチの隙間から接点復活剤を吹き付けて改善したものの半年くらいで再発しました。
スイッチ丸ごと交換するのが一番良いと思いますが、もうすこし足掻いてみようとやってみたのが今回の記事です。
マウスのスイッチを修理する
Logicool M570の修理
まずは普段使いのM570を修理です。本来であればスイッチを新品と交換するのが正しいと思いますが、今手元にないので前回と同じく接点復活剤に頼ります。
ただ、同じようスイッチの隙間からスプレーを吹き掛けただけでは早晩駄目になるのは目に見えています。なので今回はスイッチそのものを分解して中身の接点を直接磨くことにしました。
M570を分解する
早速M570を分解していきます。
M570はネジの位置が少しわかりにくくて、裏のパッドを剥がしたところや電池ホルダーのシールを剥がしたところにあったりします。
中身は埃だらけでかなり汚れていました。私は汗かきで右手だけ薄い手袋をしてマウスをさわっていたのが原因っぽいです。それにしてもこんなに入ってるとは。。。

プッシュスイッチの分解・清掃
チャタリングは右/左クリックの両方で発生しています。というわけで両側ともに分解します。

このプッシュスイッチのハウジングは爪で引っかかっているだけです。細い精密ドライバー等を使って爪を外してやるとカバーが上に外れます。ボタン部が小さいので無くさないよう注意です。
カバーを外すとスイッチの接点が見えました。この金属部品は台座に引っかかっているだけなのでピンセットでずらしてやると簡単に外すことが出来ます。
ものが小さいので分かりにくいですが、接点部に汚れと傷が見受けられます。スイッチの隙間から接点復活剤を吹き込んでこの箇所の汚れや腐食をどうにかするのは難しそうですね。以前に試してすぐに駄目になってしまったのも納得です。
早速、問題箇所にたっぷりと(量的に少量ですが)接点復活剤を吹きつけました。しばらく放置してから綿棒で表面を擦ります。接点復活剤が残ったままだとそれが原因で接点不良になるかもしれないのでしっかり拭き取ったほうがいいと思います。
以下に清掃前/後の接点を拡大して比較してみました。接点はクリックする度に同じところを叩いているせいか表面に溝が出来ていてるのが分かります。周囲も汚れています。接点復活剤を吹いて綿棒で擦れば汚れについては解決ですが、傷はどうしようもありませんね。
さて、接点を磨き終わったら元通りに組み直して反対側のスイッチも同じように分解・清掃します。

他のプッシュスイッチは使用頻度が低いためかいまのところ問題はありません。ただそのうち調子悪くなるかもと不安を感じたので、こちらはケースの外側から接点復活剤を吹き付けて馴染ませました。右/左スイッチ以外は安いプッシュスイッチを使っているようで、正直なところこちらは分解出来る自信がありません。これで駄目になったら諦めて新品スイッチと取り替えたいと思います。
組み直して動作確認
元通り組み直したら動作確認です。いつもどおりにクリックやドラッグ操作をしてみましたが問題なく動作していました。
あとはどれくらい動き続けてくれるか、ですが。。。実は本記事のM570修理を行ったのが2023年10月でした。2025年4月現時点において問題なく稼働していることをご報告します。
Logicool G300の修理
続いてG300です。こちらはM570より使い方が荒いせいか修理は2度目です。同じように分解・清掃していきます。
G300を分解する
G300は変なところに隠しネジがあったりしないので分解は楽です。
前回修理ではスイッチの分解まではしなかった
このマウスは以前にも同じようにチャタリング修理のために分解していました。その時はスイッチの分解は行わずケースの隙間から接点復活剤を吹き付けてから何度もボタンを押して馴染ませていました。その後しばらくは正常動作したのですが、数カ月後にチャタリング再発生となってしまいました。

プッシュスイッチの分解・清掃
こちらも同じように右・左の両スイッチがチャタリングを起こしていました。スイッチはM570と同じくOMRON製D2FC-F-7Nで作業も同様です。


接点をみるとかなり汚れていて深い傷もついていました。G300はゲームでも使っていたのでつい力が入ってしまったのかもしれません。接点復活剤を吹き付けて磨いてみます。

接点の汚れはマシになりましたが、傷はそのままです。これで大丈夫かちょっと不安になりましたがひとまず動作するか見てみることに。悪あがきとして組み込んだときに接点が接触する位置が微妙にズレるように調整してみました。これで駄目なら番手の高いサンドペーパーでやすってみるか。。。
組み直して動作確認
元通り組み直して動作確認して作業完了です。
スイッチの傷やばいなぁー、またすぐ駄目になるかなぁとか思っていたのですが、実はこの修理を行ったのが2022年4月だったりします。というわけで2025年4月現在において、修理したG300は問題なく稼働していることをご報告します。
まとめ
今回はマウスのチャタリング修理でした。スイッチそのものは交換せずに接点復活剤でどうにかお茶を濁したので応急修理としました。
白状するとこの修理をしたのが1年以上前だったりしまして、中途半端に書きかけの状態で文章が放置されているのを発見して、その後の報告も兼ねて記事にしました。つまり、今もマウスは快調に動作しています。接点復活剤を使うならスイッチを分解して接点に直接吹くべし、ということでしょう(いや、当たり前か)。
参考
本記事は以下の内容を参考に実施・記載しました。
- ロジクール マウス「G300s」分解&マイクロスイッチ交換! – A2-blog
https://edit-anything.com/blog/g300s-repair.html - スイッチの内部接点洗浄 – Trackball Optical Repair
https://orz7.web.fc2.com/tb/ms/tbo-wash.htm - D2FS Ultra Subminiature Basic Seitch datasheet – OMRON
https://omronfs.omron.com/en_US/ecb/products/pdf/en-d2fs.pdf - D2FS-F-N – Digi-Key
https://www.digikey.jp/ja/products/detail/omron-electronics-inc-emc-div/D2FS-F-N/4753384
コメント
M570の左スイッチが効かなくなり放置していたのを思い出しこの記事を参考に洗浄を試みました。
分解したスイッチを元に戻すのが難儀でしたがなんとか無事復活。
隠しネジの位置など非常にありがたい記事でした。