久々のGarmin地図ネタです。PC用アプリのGarmin BaseCamp用地図データに高解像度DEMをくっつけたものを試作しました。以前公開したものよりさらに細かい地形を地図上で確認することが出来ます。ルート作成のお供にいかがでしょうか。
Garmin GPS地図のDEMについて
Garmin GPS向けの地図データにはDEM(数値標高モデル)が付属しているものがあります。DEMが付属する地図データをGPS端末にインストールすると地形の陰影表示や3D表示を行うことが出来ます。
このDEMの解像度は1秒角(約30m)か3秒角(約90m)がよく使用されているようです。荒いように思うかもしれませんが、この解像度でも大まかな地形は表示されます。ハンドヘルドのGPS端末は画面が小さいのであまり解像度を上げても描画出来ないでしょうし、地図データのファイルサイズにも影響するのでこの辺りがベストなのだと思います。
ちなみに、当サイトで公開している地図データも解像度30mのDEMがはいっています。

高解像度DEMを使った地図データの試作
ハンドヘルドなGPS端末向け地図に高解像度DEMを搭載する意味はあまり無さそうですが、PCで動作するBaseCamp向けとしてなら意味があるかもしれません。まず純粋に表示画面が大きいですし、BaseCampを使うようなシチュエーションはルート作成が主だと思います。であれば、より細かい地形が目で確認出来るならより便利なのでは、と考えました。
というわけで、工程とか色々端折りまして(作成手順は後日記事にまとめたいと思います)試作したDEM解像度約5m地図のスクリーンショットです。比較用に今までと同じ解像度30mものを掲載します。それぞれの地図のDEM以外(道や等高線など)は同じデータを使用しています。
どうでしょうか? 個人的には高解像度DEM版では富士山の山肌がより表現出来ているのではと思います。
試作データのダウンロード
今回試作した地図データを公開します。試してみよう奇特な方は以下からダウンロードしてください(多分、このリンクは期間限定になるかと思います)。
- 高解像度DEM付きBaseCamp地図データ(試作版)
https://u.pcloud.link/publink/show?code=kZVPph5ZgNt4SfcangShNnsz04AnjJzJ8pWy
高解像度DEM版と比較用30m解像度版のふたつがあります。
- japan-osm-with-contour-basecamp-19884-202505.zpaq (高解像度版)
- japan-osm-with-contour-basecamp-srtm-202505.zpaq (比較用30m解像度版)
使用する際は事前にGarmin BaseCampをインストールしてください。
上記の圧縮ファイルを適当なフォルダに展開して、中の”installer.bat”を”管理者権限で実行”するとBaseCampに地図として登録されます(スクリプトでレジストリに直接地図データを追加していますので、インストール後は地図データを移動しないでください)。
アンインストールの際は同じように”uninstaller.bat”を実行してください。
なお、ファイルサイズが大きいこともあって試験的にZPAQという圧縮方式を使用しています。Windows環境での展開には以下のツールが使用出来ます(ZPAQは圧縮率が高いですが、展開速度は7zipよりかなり遅くなってしまうと思います)。
所感
当たり前ながら地図データのサイズが大きくなりました。もしGPS端末向けに高解像度DEMをいれるとしたら、日本を何分割かにしないと入りそうにありません(FAT32の1ファイルあたり最大4GByteまでの制限があるため。ちなみに今回のデータは余裕で超えています)。
地図そのものは想像したより地形が細かく表現出来ていたので色々な場所を表示して遊んでいました。結構楽しいですね。私の場合は等高線から地形を読み取るスキルがヘボいこともあって細かい地形の3D表示はありがたいです。
ただ、試しに作成したルートの高度グラフでは目立った差異は無くて、ほとんど同じに見えました。拡大すれば違いも多少ありましたが、ルート上にぬり壁のような障害物がないかぎり30m解像度でも問題なさそうに思います。
かなりでかい地図ですが、もし使う方がおられるようならGarmin地図のダウンロードページへ追加を考えたいと思います。
あと、最近になって公開された1m解像度のDEMを使ったらどんなのが出来るのか、いずれ試してみたいところです(8月くらいに出来るかな?)。
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