昔にフライトシミュレータにはまっていた時期がありまして、家の倉庫にジョイスティックが眠っていました。最近は使うこともなく埃をかぶっていたのですが、とある無料プレイ出来る本格的なフライトシミュレータの存在を知って引っ張り出しました。早速接続して使おうとしたところ、なにやら縦軸の動きが妙です。目一杯押し込んでもほとんど反応しません。どうやら故障しているようです。わざわざ買い直してもまで使いたいとは思いません。直るかどうか、ジョイスティックを分解してみることにしました。
壊れたジョイスティック(TOP GUN AFTERBURNER II)
そういえばこのジョイスティックを買ったのは10年くらい前でしょうか。"TOP GUN AFTERBURNER II"という名前で、amazonで見ると"ThrustMaster T-Flight Hotas X"というジョイスティックとそっくりな形状です(いくつかスイッチが増えているくらい?)。もっとぼろいスティックからスロットルのついたそれっぽいのを選んで買ったような記憶があります。でもって使い心地が微妙というか、上手く操縦できなくてほとんど使わなかったような。
ラバー表面のネトネトを掃除する
このジョイスティック、長らく倉庫に放り込んでいたせいかラバーの部分がネトネトになっていました。アルコールで拭き取ってやると色は白くなってしまいましたが元の手触りが復活しました。白い部分も使っているうちになじんでくることでしょう。
ジョイスティックを分解する
裏蓋をあける
とりあえずスロットルとスティックが分離出来る機種です。問題があるのはスティック側なので分離してから修理することにします。
裏蓋は見えているネジを全てはずしてやると外れました。中にはマイコンが載った制御基板とスティックのメカニカルな部分とX、Y軸のセンサーが見えます。スティックを動かしてみても動いているのかわかりません。
X,Y軸の機構とセンサーを引き抜く
さらに分解を進めます。肝心な部分をよく見るにはスティックの機構を取り外す必要がありました。そのままだと引き抜けないので、スティックの握りの部分を分解してから引き抜きます。
取り外した状態でスティックを動かすと問題なく動いているように見えます。次にX、Y軸センサーを取り外してみました。
すると、正常に動作していた軸側のセンサーと機構を繋ぐ部分にマスキングテープのようなものが巻かれているのですが、動きがおかしい軸側には巻かれていません。ケースないにはマスキングテープの残骸らしきものは無かったのではじめから無かったように思えます。嵌め合いが緩くて動きがセンサーに伝わっていなかったのでしょうか(だとすれば、購入してから動きがおかしかったのにも納得がいきます。不良品だったわけですか、コレ)。
念のためセンサーを手で動かして抵抗値を見てみると、しっかり変化していました。
センサーの軸部分にマスキングテープを巻いて組み立てる
他におかしなところが無いか目視で確認したあとに、年のためセンサーの可動部に接点復活材を吹いておきました。問題のセンサーに他と同じようにマスキングテープを巻いて押し込みます。そのあとは分解したものを順番に嵌め込んでいきました。
動作確認
全て組み上げたあと、PCに接続してジョイスティックの動きを確認します。Windowsのコントロールパネルからジョイスティックの調整画面を呼び出してスティックをグリグリ動かしてみると、今度は無事に動きました!
マスキングテープひとつで軸の動きがセンサーに伝わらなかったというわけです。たぶん設計ミスか何かできちんと嵌まらなかったのだと思いますが、終わってみるとなーんだという結末でした。ただ、内部の機構は勉強になりました。ここまで複雑な形を3Dプリンタで作るのはなかなか力が足らないけど、いずれ挑戦してみたいですね。
もし3Dプリンタで作った機構の寸法をミスして同じようなことになったら、私もマスキングテープで誤魔化せるか試してみようと思います(笑