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CNCマシンの自作を検討する

バイク弄りやマイコンを使ってちょっとしたものを作るときにCNC工作機があったら便利だろうなぁと思うことがあります。最近は3Dプリンタ同様にキットが販売されているようで、木材や軽金属であれば時間はかかるものの加工可能なものが安価に手に入るようです。安価とは言っても最安値で2万円オーバーは確実なので、自作したらもう少し安くならないだろうかと検討してみることにしました。

 

CNCキットを参考にする

全くゼロから設計など私には無理なので、すでに販売されているCNCルーターキットを参考にすることにしました。モノはいつものようにAliexpressで物色して現時点で一番販売数があり、かつ安い以下の商品です(一応、金属加工は不可とありますが、生基板に回路を彫るくらいはいける?)。

私が確認した時点で、購入費用は以下のような感じでした。願わくば、もう一息お安く仕上げたいです。

  • CNCマシンキットの価格(最安オプション, -25%セール中) 13,993円 + 送料(6,419円) = 20,412円 + おそらく関税
CNC3018
CNCキット。随所に3Dプリンタ製パーツを使ってお安く仕上げている商品です。(https://ja.aliexpress.com/item/CNC-3018-laser-options-diy-mini-cnc-engraving-machine-Pcb-Milling-Machine-Wood-Carving-machine-cnc/32805289008.htmlより引用)

 

必要なパーツ類と価格

キットの写真を参考に必要なパーツを書き出しました。見落としもあるかと思いますが、主要な部分は抜き出せているかと思います。安く抑えるためか、スピンドルを固定しているパーツ等は3Dプリンタで出力しているようです。以下のように部分に分けて書き出しています。

  • フレーム
  • モータ類
  • 電源/制御基板
  • その他

結果、必要なパーツ費用(エンドミルや固定冶具、3Dプリンタで出力したパーツ類を除く)を合算すると24,846円となりした。

フレーム関係

CNCの筐体にはアルミフレームが使用されています。母材を切削するので程度の剛性が最低限必要となるためか、3Dプリンターのようにアクリル板のキットは見当たりません。

alminium_frame_2020_sample.png
こんな感じのアルミフレームで構成されています。2020サイズだと安いですが、3030や4040だと結構お値段がします。キットは大抵2020だと思います(https://www.monotaro.com/g/01254841より引用)

費用を試算したところ合計で11,546円となり、結構な割合を占めていました。例えば筐体やワークの大きさ(工作可能な母材のサイズ)を妥協すればリニアシャフト等も短くて済むので多少は安価に組めるかもしれません。

また、大抵のパーツは中国から通販で買った方が安くなりますが、アルミフレーム等の大きくなるものは日本の通販サイトの方が安いです(ボール盤とか鉄の塊なのでAmazon.co.jpで買った方が断然安い)。アルミフレームはパッと見た感じではモノタロウで販売しているものが安いように見えました。

  • アルミフレーム(2020/3030/4040<- キットでは2020) 300mm品で単価\300 x 9 = \2,700 (こいつはモノタロウの方が安い)
  • アルミフレームブラケット(コーナー固定) 単価\78 x 14 = \1,106 <- ちょっと高いがモノタロウに剛性の高そうなやつあり
  • テーブル(AFS-15150B-6, 150x180mm) 700円 x 1 = 700円
  • リニアシャフト8mm \560 x 5 = \2,800
  • リニアブッシュ(おそらくサイズ色々) x10 一番安い12個セット = \540
  • シャフトホルダ x 8 10個セット = \1,600
  • 送りネジ \700 x 3 = \2,100
  • (送りネジホルダ x 3 \500 x 3 = \1500) <-参考にしたキットでは3Dプリンタ出力のパーツで代用
  • ネジ一式

モータ関係

主軸に使われているモータはRS-775という型番のDCブラシモータでした。これは電動工具等でよく使われているようです(我が家に10年以上前からある電動ドライバはRS-550というさらに小さいモータが入っていました)。

dc_motor_rs775_sample.jpg
RS-775モータ(https://ja.aliexpress.com/item/775-DC-Motor-DC-12V-36V-3500-9000-RPM-Ball-Bearing-Large-Torque-High-Power-low/32814556057.htmlより引用)

ステッピングは3Dプリンタでよく使われているものとして計算しましたが、金属可能する場合はもっとトルクのあるものを使用する必要があるかもしれません。

  • ステッピングモータ(nema17) \900 x 3 = \2,700
  • RS775 1,600円 x 1 = 1,600
  • チャック(ER11) + コレット諸々 2,500

電源/制御基板

電源とステッピングモータを制御するための回路です。制御にはオープンソースのGRBLというソフトウェアを使用しているようです。制御基板に関しては必要なパーツを買い集めれば少し安く自作出来そうに見えました。スイッチング電源も使っていないATX電源を流用するなど出来るかもしれません。

grbl_board_stm32bluepill_sample.jpg
CNCの制御基板です。STM32F103が載ったマイコンボード(BluePill)と3Dプリンタでお馴染みのモータドライバが使われています(https://ja.aliexpress.com/item/GRBL-mini-laser-engraving-machine-laser-CNC-Dashboard-control-board-USB-CNC-3-axis-stepper-motor/32714692670.htmlより引用)。
  • スイッチング電源 \2,000 x 1 = \2,000
  • 制御基板+モータドライバ \3,000 x 1 = \3,000 (自作すればもう少し安くなりそう)
  • 配線類

3Dプリンタで作っていると思しきパーツ類

正確なコストは分かりませんが、パーツの大きさからいって数百円レベルではないでしょうか。

  • ドリル保持部パーツ(3Dプリンタ)
  • フレーム補強パーツ x 2
  • ステッピングモータ用マウント x 3
  • 送りネジのマウント x 3

工具

エンドミルやらの工具類です。

  • 切削用工具
  • 固定冶具 x 4

 

制御基板はマイコンボードを使って自作出来そう

CNC付属の制御基板にはマイコンとステッピングモータドライバ、それとスピンドルON/OFF用と思しきFETが載っているようです。セットで3,000円弱です。

見た感じ、大した部品が載っていないのと主要なマイコンボードとドライバはばら売りされているので、それを使えば簡単に自作出来そうです。必要なのは以下のものでしょう。

  • STM32F103 BluePill \230 x 1 = \230
  • ステッパーモータドライバ(5個セット) \600 x 1 = \600
  • DC/DC(12v to 5v) \200 x 1 = \200
  • その他部品(ユニバーサル基板,FET,抵抗,コンデンサ,スイッチ等々)

全部そろえて1,500円くらいでしょうか。心持ち安くなります。

結論

パーツの価格を足していくと、キットはなんともジャストな価格設定ということが分かります。製作する手間暇を考えなかったとしても価格面でのメリットが全くありません。関税を入れても自作の方が若干高くなるかも。スペック的にこの内容で満足なのであれば、年に何回かあるセールのタイミングで購入するのが一番よさそうに思えます。

バリバリ金属加工したい、という要望に応えるスペックの商品となると、安いものでも5万円くらい+関税になってくるようで個人的にはちょっと重いです。これならヤフオクで時折見かける小型の汎用フライト(相場は10万円前後の模様)を頑張ってお小遣い貯めて購入したほうがいいような気がします。置き場所の問題はありますが、パワーも剛性もアルミフレームとは段違いでしょう。改造してCNC化している方もおられるので、狙うはこちらかなぁ(しかし、置き場所が最大の問題です。。。)。

 

参考

この記事は以下の内容を参考に記載させて頂きました。

1 thought on “CNCマシンの自作を検討する

  1. 田中

    はじめまして。突然のコメント失礼します。
    実は現在、電子部品関連の記事の執筆をしていただける方を探しておりまして、当記事を拝見しご連絡差し上げました。
    お忙しいところ恐れ入りますが、記載のメールアドレスまで一度ご連絡を頂けますと幸いです。よろしくお願いいたします。

    返信

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