Microchip社が提供するPICマイコン開発環境にPICKit3があります。このツールは各種PICマイコンへの書き込み/読み込み、デバッグ機能を持っています。この手のツール類にしてはとても安価で秋月電子通販サイトに4,500円で販売されていました。
もちろん秋月電子で販売されているPICKit3は純正品ですが、世の中にはさらに安価なコピー品があります。
PICKit3 Cloneの概要
購入した商品はこちらで、PICKit3 Clone本体とPIC書き込み用のソケットがセットになっています。
- PICKIT3 Programmer + PIC ICD2 PICKit 2 PICKIT 3 Programming Adapter Universal Programmer Seat $13.9
(購入元 http://www.aliexpress.com/item/PICKIT3-Programmer-PIC-ICD2-PICKit-2-PICKIT-3-Programming-Adapter-Universal-Programmer-Seat-Free-Shipping/1822979064.html)
外観は純正品とよく似ています。相違点としては、純正品ではMicrochipロゴが入っている箇所が"MPLAB IDE"となっています。他にもClone商品はあるようですが、この部分が純正品と異なっていることが多いようです。
早速使ってみる
MPLAB X IDEからPICKit3 Cloneを認識させる
開発環境(MPLAB X IDE)をダウンロードしてきて、PICKit3 Cloneを接続してみます。あっさりとPICKit3として認識され、ファームウェアダウンロードが行われました。そのあと、試しに手元にあったPIC16F628Aにテストプログラム書き込みを行ったところ正常に書き込み完了し動作しました(書き込んだプログラムはLEDを点滅させるだけのものです)。
PICKit3 Cloneから電源供給する場合
MPLAB X IDEの設定で、PICKit3からPICに電源供給するオプションがあります。今回セットになっていた書き込み用ソケットのようにPICマイコンに電源が供給されていない状態で書き込むのに便利で、供給電圧を選択することができます。
しかし、出力電圧を5Vとしたところ、書き込み時に”設定電圧より低い”と書き込みエラーとなってしまいました。これはPICKit3のVCC出力がUSB VBus電源をもとにレギュレータ経由で出力しているため、VBus電圧5V-内部レギュレータドロップ分の電圧までしか出力出来ないことが原因のようです。この場合、出力電圧設定を例えば4.4V等するとエラーなく書き込み出来ました。
この現象がClone製品固有のものなのかは分かりませんが、上記設定で回避することが出来ます。
この製品を購入してみて
所感として、個人が電子工作で使う分にはなんら問題ない品質だと思います。元々安価な製品のさらに半額で購入できるので、PICをよく使っていてライターは持っているという方はひとつ手元に置かれても良いかもしれません。PIC32MXシリーズなどはこの製品でPIC実機デバッグが出来てとても便利かと思います。