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USB-DACにUSBアイソレータ+別電源を導入する

PC

USBバスパワーの音楽再生用DACにUSBアイソレータ+別電源を導入したときのレポートです。結果として私の耳で分かるレベルで音質が改善しました(元々の環境が良くなかったので差が大きかったのが原因だと思われます)。

発端:USB-DAC接続先のコネクタを変えると何故か音が変わる

USBアイソレータの導入に至った発端は、PCで音楽を聴いていたときのことです。私のPCにはFostex HP-A4(ちょっと古い)というDACが繋いであります。ある時、いつものようにDAC+ヘッドフォンで音楽を聴いて、ふとした拍子にDACに繋がっているUSBケーブルをいつもと違ったUSBコネクタに接続すると音が変わることに気付きました。

Fostex HP-A4(分解中)。たしか2015年頃購入なのでもう10年選手ですね。

はじめは気の所為かと思ったのですが、USBケーブルを差し替えて聴き比べてみると明らかに差があります。私の耳はかなり適当で音楽的素養は欠片もありませんが、それでもなんとなく違いが感じとれました。主観的ですが、

  • PCケース正面のUSBコネクタ:音がこもっている、ぼんやりしている?
  • PCケース背面のUSBコネクタ:正面のコネクタに比べて音が明瞭に聞こえる

という感じでした。

PCケース正面にあるUSBコネクタ。こちらにDACを繋ぐと音が篭ってきこえる。
PCケース背面にあるUSBコネクタ。正面側コネクタに繋いだ時と比較して透明感がある、ような気がする。

背面USBコネクタはマザーボード直結ですが、PCケース正面のUSBコネクタはPCケース自体に固定されているもので”USBコネクタ<=>接続ケーブル<=>マザーボード端子”と繋がっています。どうも配線の引き回しでノイズがのっているようです。もしかして、背面USBコネクタも正面よりマシなだけでノイジーなのでは、という疑いが。。。

USBアイソレータキット(480Mbps対応)を購入する

Fostex HP-A4はUSBバスパワーなので、USB電源ラインにノイズが混入するともろに影響を受けるはずです。USBケーブルの電源(VBUS)だけを外部から供給出来るオーディオ用分岐ケーブルも製品としてあるようですが、GND自体は共通なのでPC側からの影響が残りそうです。

そこで、USB-DACを電気的に完全に分離するUSBアイソレータを導入してみました。使用したのは以下の製品/部品類です。家に転がっていた部品以外はストロベリーリナックスさんで購入しました。
(*)価格は2026/07/01現在。

ADUM4166はUSB2.0(HighSpeed/480Mbps)対応アイソレータICです。色々と探したのですが、外部電源を使用出来るHighSpeed対応USBアイソレータはこのキットが最安でした。組み立てキットということもあって部品がギチギチの高密度に詰まっておらず、使いやすい製品だと思います。

また、上記キットには電源が付属しません(USB電源アダプターで外部供給するか、専用の絶縁DC/DCコンバータキットを組み合わせて使用する)。なので、ここでは電源ボードとして超ローノイズなLT3045-1(typ.500mA, max.700mA)キットを組み合わせることにしました。

USBアイソレータと電源レギュレータキット


(*)この時はノイズ性能を優先してLT3045-1にしましたが、結局のところDAC内部でDC/DCコンバータで昇圧しているのでそこまで気にしなくてもよかったかもしれません(どちらかというと、オペアンプやDAC-IC等の負荷直近に配置する使い方が適切な気がします)。今回の場合だと、TPS7A4700(max.1A)の方が流せる電流に余裕があってよかったかも。

キットの組み立て

ADUM4166 USB2.0アイソレータ・モジュールキット

キットなのでハンダ付けは必要ですが、この製品については難易度の高そうな表面実装部品については実装済みです。ハンダ付けが必要なのはUSBコネクタ、抵抗、LEDです。

キットには電源用USBコネクタ(TYPE-B)がありますが、今回は別電源ボードから供給するのでUSBコネクタは未実装として代わりにピンヘッダを立てました。

USBアイソレータキットの内容物。DIP部品以外はすでに実装済みです

LT3045-1 超ローノイズ・正電圧レギュレータモジュール

この電源ボードキットは出力電圧を外付け抵抗で設定します(キット付属説明書かPDF参照のこと)。電源ボード上に抵抗(表面実装部品)を実装するパターンが用意されているので、手元に部品がある方はキット上に抵抗を実装するのが一番良いと思います。

LT3045-1レギュレータ基板。とてもコンパクトです。裏面に部品は無いのでヒートシンク&サーマルシートをそのまま貼り付けれます。

私の場合は、電源ボードをその辺に転がっていたユニバーサル基板にピンソケットを立て、そこに接続して使用するようにしました。電圧設定用の抵抗もユニバーサル基板側に接続してあります。USBケーブル等で電圧が落ちるので5.0vジャストではなく少し高めに設定しました。

レギュレータ基板をユニバーサル基板の上に載せた状態。ヒートシンクを載せるために部品面が下になるようにしました。

電源ボードに供給する1次電源は、家に転がっていたACアダプター(トランス仕様の無安定化電源)を使用しました。ACアダプターはスイッチング電源より高周波ノイズが少ないのと、トランスによるAC100V経由のノイズ遮断を期待しています(ただ、高周波ノイズはトランスを飛び越えてくるらしい)。また、1次電源入力側にはリップル低減のため電解コンデンサ(1000uF)x2を追加しました。

また、LT3045-1には電流制限機能があって、このキットでは初期設定で500mAとなっています。HP-A4に流れる電流は300mAくらいなので問題無いハズなのですが、電源ONすると電流制限にひっかかってDAC起動に失敗します。どうも接続先にDC/DCコンバータのような誘導性負荷があると突入電流が発生して制限値を超えてしまうようです。なので対策として、ILIM端子をGNDに接続して”電流制限無し(内部制限700mA)”としています

電源スイッチは当初付けていませんでしたが、PCをシャットダウンしてもDACがずっと電源ONしたままになるので後付しました。LT3045-1のEN/UVピンで制御しています。

ちなみに、リニアレギュレータなので入出力電圧差が大きいとそれなりに発熱します。私の場合、冬場はヒートシンク無しでも大丈夫でしたが夏場はきつそうでした(指で触れるとかなり熱い)。私は家に転がっていた20x20mmのヒートシンクをくっつけて動作させています。

ケースにUSBアイソレータと電源を組み込む

USBアイソレータと電源ボードをアクリルケースに組み込みます。サイズはピッタリでした。USBコネクタや電源用ヒートシンクに必要な穴は糸鋸とドリルで加工しました。アクリルは簡単に加工出来るので便利ですね。

USBアイソレータ基板をアクリルケースにいれたところ。ジャストフィットです。
レギュレータ基板を追加してひとまず動作可能な状態です。この時点では電解コンデンサやヒートシンク、電源スイッチはまだのっていません。
最終的には、USBアイソレータはこんな感じになりました。

USB-DACのノイズを測定する

USBアイソレータ+電源を導入してノイズがどれくらい改善されたか、オシロスコープで測定してみました。測定箇所はFostex HP-A4の各電源とヘッドフォン出力です。

DAC-ICアナログ電源(5v)
DAC-ICアナログ電源(5v) – USBアイソレータ+別電源
オペアンプ正電源(5.7v)
オペアンプ正電源(5.7v) – USBアイソレータ+別電源
オペアンプ負電源(-5.7v)
オペアンプ負電荷(-5.7v) – USBアイソレータ+別電源
ヘッドフォン出力(無音)
ヘッドフォン出力(無音) – USBアイソレータ+別電源

波形を見る感じでは各電源で少し改善(オペアンプ負電源はちょっと悪化してる?)、ヘッドフォン出力部では無音時のノイズが大きく減少しているようです。

元の電源品質が悪かったこともありますが、結果としてアイソレータと専用電源の組み合わせで音質を改善することが出来ました。特に古いPCとUSBバスパワーのDACを使用されている方は試してみる価値があると思います。

USBアイソレータとFostex HP-A4(色々と改造しているうちに元に戻すのが面倒になって基板剥き出し運用となっています。。。)

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