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ガーミンGPSで使える無料地図を比較してみる

最近はスマートフォン向けに無料で使えるオフライン地図があってとても便利になりました。ただ、ちょっとした山登り/トレッキングや自転車旅行に持っていくには耐久性や電池の持ちからいってガーミンのGPSの使い勝手がいいです。ガーミン製GPSは地図データが少々お値段がするのもあって昔の地図をそのまま使っていましたが、ネットで無料で使える地図データが公開されていることを知りました。早速、無料で最新地図が使えるならと何種類か見つけた地図データをインストールして比較してみました。

 

 

環境

  • GPS:Garmin Oregon400T(メニュー表示を日本語化)
  • PC:Windows10(64bit)
愛用のGarmin Oregon400T

 

無料の地図データ

今回使わせて頂いた地図は以下の3種類です。OpenStreetMapの地図データを元にして作成されているようです。同じデータを使っているものの、地図の表現やPOI表示にそれぞれ特色があり、等高線表示のある地図/無い地図があります。比較するのに際して、提供されている地図に複数バージョンがある場合は等高線あり/オプションデータ(検索用等)無しのものを選択しました。

いずれもGPSへ地図を転送することで利用可能です。転送方法の詳細は各地図データのサイトを参照ください。

(2017/11/05追記)

小道具展示室さんの地図をベースにして等高線の精度を改善したものを作成してみたので比較に追加しました(街中はオリジナルと変わりないので富士山山頂のみ)。等高線がそれなりに細かくなっているのが分かるかと思います。データサイズが大きいのが難点ではありますが、山登り等にどうぞ。地図データはこちらからダウンロード出来ます。

 

比較

地図表示

それぞれの表示を比較してみました。使用した機種はOregon400Tを日本語化したもので、場所は大阪駅と富士山頂周辺になります。いずれの地図も大阪駅と富士山頂が英語表示になっていますが、これは同じブックマークを使いまわしたためです。

 

大阪駅周辺

小道具展示室 garmin_oregon400t_scrn_tmzmap_osaka.png garmin_oregon400t_scrn_tmzmap_osaka_50m_nosearch.png

OpenStreetMap for GARMIN

garmin_oregon400t_scrn_osmjpmap_osaka_200m.png

garmin_oregon400t_scrn_osmjpmap_osaka_50m.png

OSM Map of Japan for Garmin Devices

garmin_oregon400t_scrn_admincablemap_osaka_200m.png garmin_oregon400t_scrn_admincablemap_osaka_50m.png

 

富士山頂周辺

小道具展示室 garmin_oregon400t_scrn_tmzmap_mtfuji.png garmin_oregon400t_scrn_tmzmap_mtfuji_50m_nosearch.png
OpenStreetMap for GARMIN garmin_oregon400t_scrn_osmjpmap_mtfuji_200m.png garmin_oregon400t_scrn_osmjpmap_mtfuji_50m.png
OSM Map of Japan for Garmin Devices garmin_oregon400t_scrn_admincablemap_mtfuji_200m.png garmin_oregon400t_scrn_admincablemap_mtfuji_50m.png
自作地図
(等高線生成にSRTM1/30mメッシュを使用)
garmin_oregon400t_scrn_tmzcustom_strm1_step10m_mtfuji_200m.png garmin_oregon400t_scrn_tmzcustom_strm1_step10m_mtfuji_50m.png
自作地図
(等高線生成に国土地理院のDEM10B/10mメッシュを使用)
garmin_oregon400t_scrn_mycustom_dem10b_step10m_mtfuji_200m.png garmin_oregon400t_scrn_mycustom_dem10b_step10m_mtfuji_50m.png
自作地図
(等高線生成に国土地理院のDEM5/5mメッシュ、DEM5未整備地域はDEM10B/10mメッシュを使用)

*他と表示スタイルが変わっていますが、大沢崩れ周辺を見比べると違いが分りやすいと思います。

garmin_oregon400t_scrn_mycustom_dem5_step10m_mtfuji_200m.png garmin_oregon400t_scrn_mycustom_dem5_step10m_mtfuji_50m.png

日本語/英語表示

前項の表示比較を見て頂ければ一目瞭然ですが、"小道具展示室"以外は日本語で地名表示となっています。使用しているGPSが日本語表示出来るのであればどれを使用しても問題ありません。英語表示のみ対応の機種であれば"小道具展示室"の地図データ一択となります。

また、私のように海外機種(Oregon400Tは台湾モデルなのです)を日本語化して使っている場合は地名検索に日本語が使えません。何故なら日本語フォントを入れることで表示は出来ますが、日本語入力システムが無いので入力出来ないからです。"小道具展示室"の英語/ローマ字表記の地図データであればアルファベットさえ入力出来ればよいので問題なく検索機能が利用出来ます。

 

経路探索と3D表示機能

Oregon400Tで試したところ、いずれの地図もオートルート可能でした。自転車旅行中のナビゲーションにも使えそうです。

また、Garmin純正のTOPOマップでは3D表示が行えますが、今回試して地図データでは等高線表示の有り/無しにかかわらず3D表示は不可能でした。これは本家TOPOがデジタル高度情報(DEM)をデータとして持つのに対して、今回の地図では等高線を絵(ポリゴン)として持っているためです。他にDEMを持つ地図データが存在しないか探してみましたが発見出来ませんでした。

Garmin DEM
DEMによる地形の印影表示(場所は台湾です)。今回紹介した無料地図ではこの表示はできません。あると直感的に分かりやすく便利なのですが。。。

(2018/09/15追記)

地図作成ツールがDEMに対応したので作ってみました。

472.bmp.png
Oregon400Tで地形の陰影表示を有効にしたところ。ルート上の高度表示も機能します。

更新頻度

"小道具展示室"と"OpenStreetMap for GARMIN"で公開されている地図データは、OpenStreetMapにあわせて頻繁(1~2回/月)に更新されています。道そのものが頻繁に書き換わる訳ではありませんが、コンビニ等POIや誤表示等が更新されるので気の向いたときに更新すると良さそうです。"OSM Map of Japan for Garmin Devices"で公開されている地図は2015年と他と比較すると若干古いため最近になって出来た道路は表示されません。

 

地図データ容量

GPS本体のメモリに余裕がある機種であれば気にする必要は無いかもしれませんが、容量が少ない機種では地図データが大きすぎると入りきらないかもしれません。2017/07/14現在で入手した各地図データの容量は以下の通りでした(オプションデータ等は含まず地図本体のみ)。最もスリムな地図データは"OpenStreetMap for GARMIN"で700MByte以下です。

ちなみに当方で自作した地図は等高線の解像度と間隔が細かいこともあり容量が倍以上あります。SDカード対応の機種でないと入りきらないかもしれません。

  • 小道具展示室 - Garmin GPS英語版用 日本地図データ:765MByte
  • OpenStreetMap for GARMIN:680MByte
  • OSM Map of Japan for Garmin Devices:876MByte
  • 自作地図(SRTM1/30mメッシュ版):1.36GByte
  • 自作地図(DEM10B/10mメッシュ版):2.61GByte
  • 自作地図(DEM5/5mメッシュ+DEM内蔵):3.8GByte

 

所感

どの地図データも十分に使えそうです。その中で個人的には"小道具展示室"さんが公開されている地図データに惹かれました。理由としては、

  • 自転車にくっつけて走ることが多いのでコンビニやお手洗い表示がとても便利なこと
  • 等高線が表示されること
  • 日本語入力が出来ない端末で今までPOI検索が出来なかったのが可能になったこと

というのが挙げられます。もちろんこれは私の事情ですので、各々の使い方に一番あった地図を探してみてください。山登りされる方でTOPOをお持ちでない方は、この機会に等高線付きの無料地図を試してみると面白いかと思います。

(2017/11/05追記)

その後、どうしても等高線の精度が高い地図が欲しくて自作しました(貴重な資料と生成手順を提供して頂いた小道具展示室さんに感謝いたします)。今は国土地理院のデータをもとに等高線を作成した地図を愛用しています。興味のある方はお試しください。地図データのダウンロードはこちらです。

 

参考

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